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茨城が動き出す 

47位。都道府県の魅力度ランキングで発表された茨城県のランキングである。47位は最下位である。水戸市やつくば市の魅力が県の魅力になっていないと、ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」のコメントがあった。他県と比較して、多くの面で茨城県は遅れていて存在感がない。

 

では本当に魅力がないのでだろうか。そんなことはない。ただブランド・イメージつくりで大きく出遅れていて、茨城県が茨城ブランドの構築にあまり興味がないのではないか。

 

ある日お茶を飲みながら新聞をめくっていたら「地場製品世界に照準」という記事が目に飛び込んできた。これだ!やっと茨城県も動き出したか!やった!と思わずこぶしを握りしめた。県内の企業約30社が集まり「茨城クラフトコミニュティーセンター(ICDC)」を設立して茨城製品を世界に発信しようというのである。

 

このICDCでさまざまな企業にデザインやプロモーションのアドバイスをするのがプロダクトデザイナーの中川聡氏。3月13日のミーティングで行われた氏のプレゼンテーションはさすがに工業デザイナー。「かっこいい」イラストや写真で「工業デザイン」という言葉がまるで宇宙の彼方から発せられる言葉のように感じるであろう地元企業の人々を前に、エネルギッシュにユーモアを交えながら語る。とにかく面白い、のひと言で、私はその話にぐいぐい引き込まれていった。ウッディー・アレンのファンとして、映画アニーホールのワンシーンが出てきたときは思わずスマイルだった。

 

行政サイドからICDCの技術支援をしているのが茨城県工業センターの寺門秀人氏である。お茶におせんべい的な地元の企業家の人たちと、ニューヨークでベーグルを食べている雰囲気の中川氏の間に入り活動を支えている。皆に信頼されている寺門秀人氏の存在はICDCにとって不可欠であろう。今後のICDCから目が離せない。