Category Archives: ものづくり カナダ

カナダニュース 

  • カナダのピーター・ケント環境大臣は、来年以降は京都議定書を更新しないと表明した。カナダは1998年に自由党のクレティエン首相が議定書に署名したが、ほとんど何もせず、2006年に保守党が政権をとっても目標達成をほとんど無視。世界最大の汚染源であるアメリカ、中国、インドが参加していない枠組みなど意味がないとうのがカナダ政府の見解である。
  • メープルリーフス(北米プロアイスホッケーリーグ)の本拠地だったメープルリーフガーデンがリニューアル。この中にカナダ最大のスーパーマーケットロブロウズ(Loblows)がオープン。
  • 中国海洋石油(China National Offshore Oil Corp).がオイルサンドの採掘会社、オプティカナダの買収を発表。買収額は21億ドル(約1660億円)。
  • カナダ小麦局の専売が来年から廃止。大恐慌により苦境に陥っていた小麦農家を助けるために1935年に設立されたのが小麦局である。第二次世界大戦中は小麦の買取価格を上げ、生産を奨励。しかし、その後小麦局は独占を強めていく。1990年代にほんのわずかの小麦を専売システムのルート外で売った農家が逮捕された事例がある。専売廃止後も農家はこれまでどおりにカナダ小麦局に小麦を売ることができるが、価格で競争しなければならない。この価格競争や、巨大企業が価格をコントロールしてしまうことを心配する人もいる。

情報源:Canadian Manufacturing

カナダニュース 

  • カナダ人の一週間の平均収入が減少、とカナダ統計局の発表。9月の統計では賃金が0.3%減り、一週間の平均賃金は872.75カナダドル。 新民主党のピーター・ジュリアン議員はこれは深刻な問題で政府の無策を非難。
  • カナダの労働生産性の悪さが話題になっているが、モントリオールにあるResearch on Public Policy (IRPP)がビジネスや政策の構造を改善しないと、今後労働生産性が向上することはないと指摘。
  • ケベックからのベースメタル輸出が伸び、2012年には中国がイギリスに代わり第二の輸出先となる見込み。
  • イタリアのスーパーカーメーカーが中国市場に注目。Top Marquesマカオでフェラーリやランボルギーニなどを展示。ランボルギーニは今年中国で350台の販売を目指している。これは昨年比で70%増。ランボルギーニを購入する中国人の資産は最低1600万ドルで10人のうち9人は現金で支払い。

情報源:Canadian Manufacturing

カナダニュース 

  • オンタリオ州にあるUnited Solarのソーラーパネル工場が操業停止。この工場はオープンしてまだ数ヶ月。生産中止となったのは当工場のみならずミシガンやメキシコの工場も。操業停止は一時的な措置なので需要が回復すれば来年早々には再開。
  • ボンバルディア・エアロスペースはモロッコに新工場の建設を発表。投資額は2億米ドル以上。
    今後8年間かけて工場を建設。モロッコの新工場は北米の雇用に影響はないとのコメント。
  • 米国務省はアルバータ州のオイルサンド油田からテキサス州まで走るパイプラインのプロジェクトの延期を決定。ハーパー首相は、将来アメリカはプロジェクトを承認する、と期待すると同時にアジア市場も視野に入れる時期にきている、との見解。
  • The Conference Board of Canadaはアメリカに比べてカナダの労働生産性が伸びないのはカナダにとって大きな損失と発表。1998年から2008年までのアメリカとカナダの労働生産性を比較したこのレポートは、「もしカナダが過去20年間アメリカと匹敵する生産性の伸び率を達成していたら?」と問いかけている。政府の歳入は増え、企業は高い収益を上げることができただろう、とシミュレーションの結果が示している。

情報源:Canadian Manufacturing

オンタリオ州 納税者に負担増のクリーンエネルギー

最近クリーンエネルギーへの注目が高まっている。オンタリオ州政府はクリーンエネルギー計画を策定し、州内の火力発電所を徐々に廃止してよりクリーンなエネルギー(風力、太陽光やバイオ・エネルギーなど)に転換しようとしている。環境負荷の少ないエネルギー源を採用するのはいいが、オンタリオ州の人々が支払う電気代に影響はないのだろうか。

グローバルトロントはクリーンエネルギー源になると電気代が2015年までに65%、2030年までに141%値上がりするという調査結果を掲載した。(オンタリオ州政府はそれぞれ46%、100%と予測している) また、一般家庭の年間電気代は現在の1700ドルから2800ドル、2030年には4100ドルを超える見込みである。

調査結果を発表したのはグエルフ大学のグレン・フォックス教授。昨年オンタリオ州がリリースした長期エネルギー計画には風力タービンの資本コストや再生可能エネルギーを送電するための費用などのコストが抜けている。また、インフレや風力・ソーラー発電が停止したときのバックアップ電源にかかる費用などが盛り込まれていないと述べている。

さらに、電力料金の値上がりはオンタリオ州のさまざまな産業の競争力を低下させ、低所得家庭に打撃を与えるだろうと指摘している。

これに対してオンタリオのエネルギー相、ブラット・ドゥグイット(2011年10月20まで)は調査結果は多くの間違いがあり、信用できない。フォックス教授自身が再生可能エネルギーに反対しているからこのような虚偽の報告をしていると非難している。

クライスラー300はカナダ製 でも広告ではメイド・イン・アメリカ

アメリカの消費者団体が、クライスラーとフォードが誤解を招く広告を出したと苦情を申し立てた。

The Made in the USA Foundationは、アメリカの自動車メーカー2社が誤解を招く
広告を出したと米連邦取引委員会に苦情を申し立てた。問題になったのはクライスラーの Chrysler 300とフォードのFusionである。

クライスラーは今年2月のスーパーボウルのテレビCMでラッパーのエミネムを起用し、
“Imported from Detroit”キャンペーンを大々的に展開した。それにもかかわらず実際にはカナダで生産された車をImported from Detroitのキャッチフレーズで売るのはとんでもない、という訳である。

スーパーボウルのテレビCMを見てみたいと思いYoutubeで検索してみた。CMを見てみると実際のCMで宣伝されいるのはCHRYSLER 200 で300ではない。このCMのコメントに投稿した人によるとCHRYSLER 200はデトロイト郊外のスターリングハイツ市で生産されている。

CHRYSLER 200 のテレビCMは評判がいいようで、Youtubeでの再生回数は1300万回近くに上っている。

2009年にカナダ連邦政府とオンタリオ州政府がクライスラーを救済した時に、同社は北米全体の20%をオンタリオで生産することに同意した。(今年の5月、投入された公的資金のほとんどをクライスラーは返済)

Chrysler Eminem Super Bowl Commercial – Imported From DetroitのCMはこちら

米司法省がマグナを捜査 -独占禁止法に抵触か?

カナダが世界に誇る自動車部品メーカー、マグナ・インターナショナルが金型の発注に関して独占禁止法に違反するとの疑いで米司法省が捜査を進めている。

自動車部品業界アナリストのデビット・タイヤマン氏によると、今回のマグナの捜査は2010年に始まった反競争的行為を阻害する行為を取り締まる措置の一環だということである。

米司法省に起訴され事実を認めた場合、懲役刑か数百万ドルの罰金とかなり思いペナルティーが科せられる。

米司法省の捜査はマグナだけでなく日本のメーカーも含まれている。そのひとつが
古河電気工業(株)。古河電工はワイヤーハーネスの価格カルテルで不正行為を認め、9月末に司法取引に合意したと発表があった。古河工業が支払う罰金は2億米ドル(約154億円)。また、幹部3名が1年1日から18ヶ月の禁固刑が科せられることになっている。

マグナ広報担当のトレーシー・フューストは今回のことを重く受けとめ、捜査に協力している。しかし、この捜査によりビジネスが滞り供給先に迷惑をかけることはないとコメントを出している。

英語の記事はこちら

起業家を尊敬するカナダ人

The Canadian Federation of Independent Business (CFIB)、HP Canada、Intel Canadaの3社が行った.最近の調査によると, カナダでは農業従事者に次いで小企業の事業主が最も尊敬されているとう結果がでた。アンケートに答えた94%の人が企業家を尊敬すると答えている。また、98%の人が中小企業はカナダの将来に重要であり、94%が地域社会にとっても極めて重要と考えている。

写真 Canadian Manufacturingより

中小企業は製品やサービスや個人レベルでのカスタマーケアができる、中小企業ならでは価値を見出している。また、雇用を生み出し地域に貢献ができると考えている人が多い。それでは自分が企業家になりビジネスを始めるかというと、約50%の回答者がNOと答えている。資金がない、リスクがある、成功するかどうかわからない、などの理由からである。そして83%の人がカナダ政府は起業を正当に評価していない。支援が不十分であると感じているのである。

しかし、すでに事業を始めている中小企業家は向こう3年間の間に事業を拡大する計画であると別の調査で回答している。そのキーポイントはテクノロジーである。当記事には
テクノロジーをどのようにつかいビジネス目標を達成するか、具体的な内容は記されていないが43%の回答者がテクノロジーに関する投資を増やすと答えている。

事業を起す理由は様々である。
回答者の60%が自分自身で経営をしたかったと回答。それに続く37%が自分自身の技術や経験をさらに生かすため、30%がスケジュールを自由に決められると回答している。
また自分の仕事のやり方が正しいと思うからという答えも45%にのぼった。

英語のオリジナルはこちら

オンタリオ州や各市町村では中小企業家向けに情報を無料で提供している。様々な印刷物やセミナーなどが充実していおり、何より堅苦しくなく敷居が高くない。このようなサービスはとてもありがたい。

ハーパー政権の続投 ーカナダ製造業の今後  

多くの人がハーパー首相率いる保守党政権が過半数を獲得してホッとしたのではないだろうか。

カナダの製造業&輸出協会(Canadian Manufacturers & Exporters (CME))のCEOであるジェイソン・マイヤーズ氏も保守党政権の続投を歓迎している。マイヤーズ氏は投資の促進や雇用創出を図りカナダ経済が後退しないような長期的な戦略が必要だと述べている。

カナダの経済が後退することなく持続するために、CMEはハーパー政権に対して 以下の8項目を実行することを提言している。

1. 新製品やテクノロジー、従業員のスキルアップに対する投資には減税
2. 製造、加工機器・設備への投資に対して2年間の定額減価償却を延長
3. 新製品や新技術のイノベーションや商品化を奨励
4. 事業の発展を支援し、国際的なビジネスの機会を活用する
5. 北米の総合的なサプライチェーンの競争力を強化する
6. 熟練労働者を創出し労働者の質の向上を図る
7. カナダのエネルギーや物流のインフラを強化する
8. 効果的な法規制の整備

自由党や新民主党(NDP)が圧倒的な強さを誇っていたトロントの選挙区で保守党が票を伸ばしたことは、小さな政府を望む有権者が増えていることでないだろうか。

ウォータールー大学 ビキニ写真で工学部学生が処分

トロントから西へ120kmほどのところにあるウォータールー大学は理工系に強い大学として有名である。スマートフォンのブラックベリーを開発したリサーチ・イン・モーション社(RIM)の本社がある町としても知られている。カナダでブラックベリーはビジネスマンを中心に高い人気誇っており、携帯電話=ブラックベリーである。例えば会議や講演会では「ブラックベリーをオフにしてください」とアナウンスされることが多く、これはもちろん携帯電話をオフにするという意味である。

話がそれたが、今回は携帯電話の話ではなくレーシングカーを製作した工学部の生徒の話である。

ことの発端は工学部の女子学生がビキニとハイヒール姿でレーシングカーの前で写真を撮ったこと。写真撮影は工学部の学生が利用するデザインセンターで無許可で行われた。これが大問題に発展した。カメラマンはレーシングカーチームのメンバーではないが同じ工学部の学生。この学生が写真をインターネットに載せたのも問題だった。(これはあとで削除)

この事実を知った大学側は当面の間レーシングチームの活動の停止を決定した。チームメンバー全員が処分の対象になってしまい5月にミシガンで行われるレーシングカーの競技会に向けてFormula SAE 車を製作してのりにのっていた彼らは大ショックである。

写真を撮影した目的は、カレンダーのコンテストに応募するためだったという。コンテストでお金を集めそれをチャリティーに寄付しようと考えたと説明している。ポーズをとった女子学生はチームの主要メンバーで、エンジニアという男性的な分野と女性らしさは両立するとうことを示したかったようだ。

大学が決定した処分にに対して賛否両論、様々は意見が飛び交った。大方の意見は学生に同情的である。学問をする大学でビキニでポーズをとるなんて不謹慎と大学側は思ったのだろう。

冬が長いカナダでは、少し暖かくなると女性は肌をしっかり露出して日光浴をおもいきり楽しむ。ウォータールー大学のデザインセンターに一足早く日光浴の季節がきたと思えばすむのではないか。

カナダ国際オートショーにスバルカナダの力士が登場!

先日テレビを見ていたらスバルカナダのSexy sumoのテレビCMが流れてきました。久しぶりに見るような懐かしい気持ちになりました。日本を襲った大災害のあまりの激しさに圧倒されて、トロントで行われた国際モーターショーが遠い昔のことのように感じられます。

トロントのモーターショーは東京モーターショーと比較して規模は小さいものの、各メーカーの趣向を凝らした展示やイベントで会場は盛り上がりました。展示車に直接手を触れて乗ることも可能なので(実際にエンジンをかけて運転するわけではありませんが)、来場者はお目当ての車の運転席に座ったり、車に寄りかかりポーズをとったりと楽しそうでした。

今回のモーターショーは来場者参加型のブースがいくつかありました。その中でユニークだったのがカナダスバルのフォレスターSexy sumoブース。相撲力士が登場するCMが日本でとても評判になったことは知っていましたが、実際にはCMに出演した力士がまわしをつけてブースに現れるとは思っていませんでした。スバルカナダが企画したのはこの力士と一緒に記念写真を撮るというもの。力士が浴衣姿で登場すると音楽が流れ、スバルのスタッフが手をたたきながら「Byamba」と大きな声で名前を呼び会場を盛り上げました。

音楽に引き寄せられるようにあっという間に人が集まりました。写真撮影のために列に並んでいた男の子は自分の順番が回ってくるとなんと服を脱ぎ始めパンツ1枚になってしまいました。

2階の通路からもたくさんの人が撮影を見ていました。

テレビのCMが写っています。

メルセデス・ベンツやBMWなどのメーカーは自社ブランドのTシャツやマグカップなどを販売しており、車には手がでなくてもグッズは買いたいという来場者には嬉しい限りです。