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日本製自動車部品の供給不足 -支援したいカナダの自動車部品メーカー

東北地方太平洋沖地震の発生からまもなく3週間を迎えます。この度の災害で犠牲となられた方々のご冥福をお祈りいたします。そして被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

東北地方太平洋沖地震の影響が世界の自動車業界に広がっています。自動車産業やITなどの産業に支えられて、カナダの経済の中心として重要な役割を担っているオンタリオ州も例外ではありません。大手自動車メーカーは生産や残業の一時停止などで在庫部品を確保し対応しているようです。

Automotive Compass LLC.のThe AutoCRM Japan Crisis Updateでは災害による日本の部品不足の影響についての記事を掲載しました。現在、世界全体でどの程度の影響があるのかわからないが、日本製の部品調達に対するリスク管理や脆弱性を考えると日本へ依存度は低下するのではないかとの見方です。

カナダの自動車部品工業会(APMA)のスティーブロジャース氏はインタビューで述べています。

短期的には災害による部品の供給不足でカナダの部品会社が問題に直面するような事態にはならないだろうが、自動車メーカーに対して役に立ちたい考えている。カナダの会社が将来日本のメーカーと継続的なビジネスができなくても、私たちは部品を供給し支援したい。今回の災害はカナダのサプライヤーはいつでも協力できるということを示す絶好の機会である。

日本の部品の供給不足により生産が滞るのは避けなければならないし、それを回避するために調達先を日本のメーカーからカナダのサプライヤーに切り替えるのはひとつの選択だと思います。そのことにより、カナダと日本の自動車メーカーが協力して困難を乗り切ることができれば素晴らしいことでしょう。しかし、その一方で日本のものづくりの足元が大きく揺らいでしまうのではないか。このことが心配でなりません。

茨城が動き出す 

47位。都道府県の魅力度ランキングで発表された茨城県のランキングである。47位は最下位である。水戸市やつくば市の魅力が県の魅力になっていないと、ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」のコメントがあった。他県と比較して、多くの面で茨城県は遅れていて存在感がない。

 

では本当に魅力がないのでだろうか。そんなことはない。ただブランド・イメージつくりで大きく出遅れていて、茨城県が茨城ブランドの構築にあまり興味がないのではないか。

 

ある日お茶を飲みながら新聞をめくっていたら「地場製品世界に照準」という記事が目に飛び込んできた。これだ!やっと茨城県も動き出したか!やった!と思わずこぶしを握りしめた。県内の企業約30社が集まり「茨城クラフトコミニュティーセンター(ICDC)」を設立して茨城製品を世界に発信しようというのである。

 

このICDCでさまざまな企業にデザインやプロモーションのアドバイスをするのがプロダクトデザイナーの中川聡氏。3月13日のミーティングで行われた氏のプレゼンテーションはさすがに工業デザイナー。「かっこいい」イラストや写真で「工業デザイン」という言葉がまるで宇宙の彼方から発せられる言葉のように感じるであろう地元企業の人々を前に、エネルギッシュにユーモアを交えながら語る。とにかく面白い、のひと言で、私はその話にぐいぐい引き込まれていった。ウッディー・アレンのファンとして、映画アニーホールのワンシーンが出てきたときは思わずスマイルだった。

 

行政サイドからICDCの技術支援をしているのが茨城県工業センターの寺門秀人氏である。お茶におせんべい的な地元の企業家の人たちと、ニューヨークでベーグルを食べている雰囲気の中川氏の間に入り活動を支えている。皆に信頼されている寺門秀人氏の存在はICDCにとって不可欠であろう。今後のICDCから目が離せない。