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地域ブランド調査2010 茨城県の魅力度は最下位 

昨年ブランド総合研究所が「地域ブランド調査2010」で都道府県と市町村の魅力度ランキングを発表した。茨城県は2年連続最下位という悲惨な結果に終わった。もしかしたら1ランクぐらい上がっているのでは、という淡い期待はあったが結果を見た瞬間そんなもは吹き飛んでしまった。

茨城っていいですよ、と言いたい。カナダに住んでいる私は一時帰国するたびに茨城の良さを発見している。比較的に東京に近く、成田空港への交通も便利。食べ物だっておいしい。昨年茨城空港がオープンし、韓国や上海がぐっと近くなった。この空港は百里基地と共用しているので送迎デッキへ出ると航空自衛隊の戦闘機が飛び立つのが見える。自衛隊を身近に感じることができる場所でもある。

茨城県が最下位になった理由は何か?知名度が低い。観光PRをしない。食べ物はおいしいけど他県に負けている。いろいろ考えていくうちにはたと思いあたった。橋本知事である。今5期目で現職知事の中で任期期間が最も長い。橋本知事の長期政権と2年連続の不名誉には因果関係がないのかもしれない。それはさておき、知事には頑張って茨城のイメージアップに努めてほしい、と思うのだが積極的に何かしている様子はない。(もちろん不名誉な結果は知事一人の責任ではないのだが)

茨城県行政の長として橋本知事がリーダーシップを発揮して思い切った施策を立て実行する。知事のやる気は他の人にも波及して、それじゃ私も頑張ろう、ということになる。それができれば最下位脱出も難しいことではない。でも橋本知事がやる気を見せてくれる気配はなさそうである。

橋本知事のことばかり書いたが、行政サイドでも頑張っている人がいる。以前にもこのブログで紹介した茨城県工業技術センターの寺門秀人氏。そして尾形尚子さんである。

茨城の現状を心配し、何とか活気のある地域にしたいと真摯にプロジェクトの取り組んでいるお二人と話しているとついつい時間がたつのを忘れてしまう。このような優秀なお二人をきちんと活用しなければ茨城県は沈没したままである。

茨城が動き出す 

47位。都道府県の魅力度ランキングで発表された茨城県のランキングである。47位は最下位である。水戸市やつくば市の魅力が県の魅力になっていないと、ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」のコメントがあった。他県と比較して、多くの面で茨城県は遅れていて存在感がない。

 

では本当に魅力がないのでだろうか。そんなことはない。ただブランド・イメージつくりで大きく出遅れていて、茨城県が茨城ブランドの構築にあまり興味がないのではないか。

 

ある日お茶を飲みながら新聞をめくっていたら「地場製品世界に照準」という記事が目に飛び込んできた。これだ!やっと茨城県も動き出したか!やった!と思わずこぶしを握りしめた。県内の企業約30社が集まり「茨城クラフトコミニュティーセンター(ICDC)」を設立して茨城製品を世界に発信しようというのである。

 

このICDCでさまざまな企業にデザインやプロモーションのアドバイスをするのがプロダクトデザイナーの中川聡氏。3月13日のミーティングで行われた氏のプレゼンテーションはさすがに工業デザイナー。「かっこいい」イラストや写真で「工業デザイン」という言葉がまるで宇宙の彼方から発せられる言葉のように感じるであろう地元企業の人々を前に、エネルギッシュにユーモアを交えながら語る。とにかく面白い、のひと言で、私はその話にぐいぐい引き込まれていった。ウッディー・アレンのファンとして、映画アニーホールのワンシーンが出てきたときは思わずスマイルだった。

 

行政サイドからICDCの技術支援をしているのが茨城県工業センターの寺門秀人氏である。お茶におせんべい的な地元の企業家の人たちと、ニューヨークでベーグルを食べている雰囲気の中川氏の間に入り活動を支えている。皆に信頼されている寺門秀人氏の存在はICDCにとって不可欠であろう。今後のICDCから目が離せない。