Monthly Archives: May 2011

カナダポスト 電気自動車を導入 

カナダ最大の郵便サービスを提供するカナダポストが電気自動車を4台導入すると発表した。

導入される車種はアメリカのナビスター社(Navistar Inc.)が製造したeStar™と呼ばれるバンである。走行距離は一回の充電で160kmで満充電に要する時間は8時間。A123 Systems社製のリチウムイオン電池パックが搭載されている。ナビスター社によるとeStarのバンだと年間10トンの温室効果ガス排出を削減できるとのこと。カナダポストは7300台以上の配達用自動車を有し、年間の全走行距離は7900万kmにも及ぶ。そのため、環境に対する負荷を軽減するためにエタノール、バイオディーゼル、天然ガス、プロパン、水素、ハイブリットなどの代替テクノロジーをつかった自動車が導入可能かどうか検討している。

環境への負荷を考えて電気自動車を使って配達するのはけっこうなことである。 しかし、カナダは郵便料金が世界一高いのではないかと思うほどである。先日750gの本を1冊航空便と送ろうとしたら送料は約3000円。ばかばかしいのでやめてしまった。

国土が広いカナダはすべての地域に同じサービスを提供しなければならない。 例えば、大都市から1000km離れた人口1000人の町へ郵便を配達するのは大変なことである。遠くて不便だから追加料金を、とはならないことは理解できる。電気自動車の導入が郵便料金の値下げに貢献できるのなら、電気自動車をもっともっと導入してほしい。 環境のことより、郵便料金の高さをどうにかしてほしい。

ハーパー政権の続投 ーカナダ製造業の今後  

多くの人がハーパー首相率いる保守党政権が過半数を獲得してホッとしたのではないだろうか。

カナダの製造業&輸出協会(Canadian Manufacturers & Exporters (CME))のCEOであるジェイソン・マイヤーズ氏も保守党政権の続投を歓迎している。マイヤーズ氏は投資の促進や雇用創出を図りカナダ経済が後退しないような長期的な戦略が必要だと述べている。

カナダの経済が後退することなく持続するために、CMEはハーパー政権に対して 以下の8項目を実行することを提言している。

1. 新製品やテクノロジー、従業員のスキルアップに対する投資には減税
2. 製造、加工機器・設備への投資に対して2年間の定額減価償却を延長
3. 新製品や新技術のイノベーションや商品化を奨励
4. 事業の発展を支援し、国際的なビジネスの機会を活用する
5. 北米の総合的なサプライチェーンの競争力を強化する
6. 熟練労働者を創出し労働者の質の向上を図る
7. カナダのエネルギーや物流のインフラを強化する
8. 効果的な法規制の整備

自由党や新民主党(NDP)が圧倒的な強さを誇っていたトロントの選挙区で保守党が票を伸ばしたことは、小さな政府を望む有権者が増えていることでないだろうか。

カナダのためにならない新民主党の躍進

昨日はカナダの総選挙投票日だった。今回の選挙ほど予測が難しかった選挙はなかったようだ。与党である保守党は過半数の議席を取れないのではないかと言われていたが、ふたを開けてみると保守党が過半数を獲得。政権続投となり私としてはホッとひと息である。

私はカナダの市民権を保持していないので選挙にかかわることはない。しかし、どの党が時期政権を取るのか非常に気になっていた。私が住む地区は中国系カナダ人のオリビア・チャオ議員(新民主党)の選挙区である。中国系住民の多いこの地域は現職のチャオ議員が圧倒的な強さを誇っている。それはそうだろう。彼女は中国系カナダ人のために奉仕しているのだから。

今回の選挙ではジャック・レイトン党首率いる新民主党(左派)がケベック州で大きな支持を得てそれが他州にも拡大した。あわやレイトン首相の誕生かというところまで支持を伸ばしたのである。もし彼が首相になればファーストレディーは中国の御用達議員である夫人のオリビア・チャオである。

「カナダの首相ジャック・レイトン!」 こんな報道を目にするたびに目の前が真っ暗になった。エスニック票を取り込みたいタリバン・ジャック(レイトン党首のニックネーム)と中国の利益のために働くチャオ議員のコンビはカナダの国益にはならないし、日本にとっても良い結果をもたらさないだろう。

オリビア・チャオ議員や新民主党には言いたいことが山ほどある。そのひとつが慰安婦問題である。2007年、チャオ議員は慰安婦に対する日本政府の公式謝罪と補償を要求する法案を提出した。 当時国でないカナダがなぜ日本に対する非難決議なのか。カナダの議員が日本の歴史問題をどの程度理解しているだろうか。わからないのだったら口を出すなと言いたい。

先日、駅から出てきたらオリビア・チャオ議員が選挙用のビラを配っていた。あなたはこのあたりに住んでいるの?と話しかけてきたので、「私、選挙権ありませんけど。」と答えると「オ~!」と。

チャオ議員だったら「カナダの市民権がない永住権保持者にも選挙権を与えよう!」と法案を提出するかもしれない。これこそ「オ~!」である。